「はやぶさ」のJAXAを軍事利用する法案が審議入り

1969年、日本の宇宙開発は非軍事に限ろう、という国会決議がなされました。

2003年それまで3つに分かれていた宇宙研究開発機関が合体し、JAXAが誕生しました。JAXAのあり方を決めたJAXA法は、条文ではっきりと「平和の目的に限り」業務を行うことを定めました。この「平和の目的に限り」という文言を削除し、政府がJAXAに軍事協力を求めて動員することができるとする条文を加えようというのが今回の改訂案です。

 

既に自民党政治のもとで、アメリカのミサイル防衛システムの共同研究開発に踏み出したという既成事実がありますが、この軍事利用を堂々と進めるようするというのが大きな目的であり、宇宙産業界を軍需という安定した需要で支えるという目的もあるようです。

 

軍事利用は常に民生利用に優先されるもの。平和憲法に反するのはもちろん、そのもとに自主・民主・公開で研究を進めるとした原則も踏みにじられるでしょう。

 

というわけで、平和団体や科学者団体がこれに反対する声を上げています

「JAXA for peace アピール」という声明を出して国会請願オンライン署名に取り組んでいるサイトがこちら→ http://jaxaforpeace.a.la9.jp/

アピールの冒頭を紹介します

 政府は、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)法(以下、JAXA法)を改定し、宇宙開発を「平和の目的に限り」(第4条)とする現在の規定(以下、平和目的規定)を削除しようとしています。JAXA法からの平和目的規定の削除は、これまで平和利用に徹してきた日本の宇宙開発や科学のあり方を大きく転換するものです。日本の進路は、戦争放棄の平和主義の道か、軍事大国化の道かをめぐる岐路に立たされていると言っても過言ではありません。
  私たちは、宇宙の軍事利用に歯止めをかけるため、また、宇宙のロマンを大切にするため、JAXA法から平和目的規定の削除に反対します。それは、以下の5つの理由に依ります。

(以下略、サイトでご覧下さい)

 このサイトでは改定案の詳しい内容やこれまでのいきさつがQ&A形式でとてもわかりやすく明されています。こちらもぜひ、訪ねてみて下さい。→ http://jaxaforpeace.a.la9.jp/faq.pdf

 

今後の国会での審議の推移が注目されます。ネットでは産経新聞のサイトが取り上げていましたが、新聞報道ではどの程度取り上げているでしょうか。

 

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コメント: 1
  • #1

    山人 (月曜日, 11 6月 2012 04:52)

    とんでもない法案だと凄く気になっていたのですが、オンライン署名なんてのがあるんですね。ありがとうございました。 これでも元宇宙少年だったんです。
    宇宙は南極と同様に非軍事でこそ夢があるのです。星を見る夢の世界を悪夢の世界にする法案は許すわけにいきません。 9条をないがしろにする政治は夢も希望もなくする。