被災者が語る「絶望は希望」 (さよなら原発集会)   民の声を侮る権力の行く末は・・・

●きのう16日の「さよなら原発10万人集会」、ここまでビッシリと代々木公園が埋め尽くされたのを見たのは久しぶりでした。報道の多くは第1会場の写真でしたが、野外音楽堂や原宿駅寄りの公園など第5会場までいっぱい。もよりの原宿駅、渋谷駅、代々木駅からは会場へ向かう人々の波が途切れることなく続いたそうです。最後のデモ隊列が会場を出たのが午後5時10分とのこと。全国各地でも連動した行動がありました。猛暑をものともせずにこれだけの脱原発の行動がわきあがったことを、野田首相はどう捉えたでしょう。

<福島県三春町の武藤類子さんの発言を収めた動画がありましたので、御覧下さい。表題をクリックすると見られます>

 

●今世紀になってからの国民的大運動といえば、9年前のイラク派兵反対の運動がありました。ずいぶん盛り上がったものですが、今回はそれを上回っているのではないかと感じます。

それと、イラク派兵反対のときは新聞での意見広告運動が多かったのが特徴的でした。今回、意見広告は見ませんね。恐らく、運動の主体に個人の比重が高まっているからではないかと思います。今回の集会も、労組や団体などの組織参加が中心ということもなく、ネットやツイッターでのつながりからの参加者や、集会予告を見ての参加者など、かつてない多様な広がりがあったようです。

そもそも、脱原発という願いは、もはや「政治的な意見」を超え、生活の要求、生存の条件となっているからかもしれません。

 

●野田首相にこの「大きな声」はどう聞こえたでしょうか。政権交代が容易になる二大政党制になってから、政権はたしかに世論の動向を気にするようになりました。世論調査もうるさいくらい頻繁に行われるようになりました。政策に一貫した考えも党内のまとまりもない民主党政権は、世論の動きにつれて右往左往する姿ばかりが目に付きました。よく言えば、国民の人気を気にしないではいられなかったとも言えます。

 

●それじゃあダメだと出てきたのが野田首相ではないでしょうか。「うちら、誰の金で飯食ってんの、貧乏国民の金じゃないでしょ、財界の金でしょ、そっちに顔向けてりゃいいのよ」と言わんばかりの腹のくくり方(くくられ方?)が野田首相はすごい。国民の声にまともに答えない言い回しや突き進みぶりは、自民党の歴代首相に近い匂いを感じます。

 

●しかし、民の怒りは少しずつ、そして大震災から大きく、積もり積もっていることにどのくらい気づいているでしょうか? 自民党政権時代と同じように民の声なぞ無視し続けられると思っていないか? 世の中が変わっていることに気づいていないとしたら、時代錯誤の政治家たちは脱原発を欲する新時代の民たちに追いやられるときがいつか来るでしょう。

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コメント: 1
  • #1

    山人 (水曜日, 18 7月 2012 21:27)

    凄いことです。みんな他人ごとでない、自らの問題として考え始めた・・・安全神話?国策?・・・この国の「からくり」が赤裸々になり、もう騙されない・もう許せない・・・の民の声なのに・・・「音?」として聞く国のトップの危機管理能力は東電以下です。
    原発再稼働とTPP・消費税にすべてをかける拘りは、暴走・妄想内閣そのものです。