戦場ジャーナリストの犠牲は自己責任か

●シリアを取材中のジャーナリス山本美香さんが戦闘に巻き込まれて亡くなりました。20日夕方、「ニュースエブリ」という日本テレビ系列の報道番組で、山本さんの撮ったVTR映像が流されたばかりでした。

 今年6月までの半年間でシリアで犠牲になった記者は既に20人に達したと7月に報道され、いつか日本人記者も犠牲になるのではと案じていましたが、現実になってしまうとは……。外国人記者としては4人目だとのこと。シリア以外では52人が犠牲になっています。

 

●ジャーナリストの戦死や拉致事件があるたび、それは「自己責任」と切って捨てるような言い方をされることがあります。自己責任と一番割り切っているのは本人たちであるはず。安全なところに身をおきながら世界を知る利益を得ている私たちが、その利益を与えてくれる人たちに向かって突きつけてよい言葉ではないと思います。

「ペンは剣より強し」。だからこそジャーナリストは狙われるのであり、剣よりペンが大事なのは、他ならない庶民の私たちなのですから。