多くの日本人は憲法を歓迎した

山本 明

 

 私の兄は太平洋戦争の終わる1日前の8月14日、北朝鮮で南下してきたソ連軍と戦って死にました。あの戦争では軍人だけでなく、幾百万の人々が犠牲となったのです。

 戦後になって、二度と戦争はしたくない、これからの日本は平和国家として進むのだ、と誰もが思ったはずです。今の憲法はアメリカの押し付けだと言う人がありますが、当時の日本国民の多くは、第9条と共に主権在民の民主憲法として歓迎したのでした。私は幾百万の犠牲の上に今の憲法があると考えています。