私たちの意思表明
杉 みき子
昨年10月、子どもに関する情報誌『月刊・子ども論』(クレヨンハウス刊)で、「憲法改変、どう思いますか それはなぜ」というアンケートを実施しました。対象は、子どもの本にかかわる作家、画家、評論家、翻訳家などで、91名が回答しています。その結果─
・改変反対 79
(「他の条項はともかく9条だけは改変反対」を含む)
・改変賛成 5
(ただし、人権、平和などについてもっと徹底してほしい、という意味で)
・どちらともいえない、その他 7
(判断しかねる、アンケート方法に疑問、など)
人類の未来をになう子どもたちのための仕事をしている人々が、これだけの意思表明をしていることを、為政者は重くうけとめてほしいと思います。 (2006年記)
学徒動員世代の叫び
津幡 龍峰
旧制中学に入学してからの日々は、軍事訓練に明け暮れ、兵器工場への動員が待っていた。結局、修学旅行にも行けなかった。
富士の裾野の軍事訓練では、旧式の鉄砲を持っての匍匐前進。誰かの帯革(革のベルト)が切れれば、連帯責任でビンタをくらった。
動員先の工場では、大空襲に遭遇。悪夢の日々。でも、軍国少年は、「神国日本」の勝利を信じていた。
憲法9条を失くしたら、再び悪夢の日々を繰り返すことになる──これは、我々学徒動員世代の実体験からの叫びである。
母も子も撃たれることのないように
マリオ・カンドゥチ
昭和19年の夏、10歳のときに、連合軍の爆撃にあい、母は亡くなり、弟は視力を失いました。あれから60年たった今も、同じ不幸が繰り返されていることを悲しく思います。お母さんたちも子どもたちも二度とこのように撃たれることのないように、私たち無力なものこそ、その対策を考えるべきではないかと思っています。
日本国憲法の第9条に含まれている三原則「武器を作らない、使わない、売らない」は、恐ろしい戦争をなくす唯一の方法です。日本の善意ある人々が立ち上がり、この9条を守るように祈ります。
私は、自衛隊のイラクへの新たな派遣に反対し、靖国神社への参拝に対しても断じて反対します。
多くの日本人は憲法を歓迎した
山本 明
私の兄は太平洋戦争の終わる1日前の8月14日、北朝鮮で南下してきたソ連軍と戦って死にました。あの戦争では軍人だけでなく、幾百万の人々が犠牲となったのです。
戦後になって、二度と戦争はしたくない、これからの日本は平和国家として進むのだ、と誰もが思ったはずです。今の憲法はアメリカの押し付けだと言う人がありますが、当時の日本国民の多くは、第9条と共に主権在民の民主憲法として歓迎したのでした。私は幾百万の犠牲の上に今の憲法があると考えています。
気高き「憲法九条」
植木 邦彦
日本国憲法が施行されて65年、1945年生まれの私の年齢とほぼ同じです。その九条は人類が戦争を繰り返す中から生み出した歴史的遺産です。それは日本に託された夢であり、理想であり、拠りどころだと思います。二度と戦争を起こさないという姿勢を貫き通してきたことに日本人のほこりがあると思います。
しかし、現実は九条の想定からかけ離れ、改憲しようと企てられています。子や孫の世代以降も末永く平和であることを願い、気高き「憲法九条」を守る輪を大きくしていきたいと思います。
(2012年11月12日会報記載)
九条を守っていきましょう
長谷川 正
私は小学校4年の時、敗戦を迎えました。誤った戦争の真実を深く知れば知るほど、その犯した罪の大きさ、愚かさを痛感してきました。
こうした反省にたって、いち早く世界に不戦を宣言した日本の憲法は、世界に誇るべきものです。グローバル化の進む21世紀に、憲法9条は益々その輝きを増すことは確実です。右傾化の嵐が押し寄せてきていますが、みんなで9条を守っていきましょう。
(2012年11月12日会報記載)