上越市の戦跡マップをつくるためにネットを調べたところ、2007年当時高志小学校にいらっしゃった女性教諭が、6年生の授業で戦争学習をした記事を発見しました。
取り組んだ教諭の思いは、
世界中で紛争が絶えず、日本も自衛隊を派遣するなど、
いまや戦争は遠い過去のことではない。
そんな現在、子供たちにどんな理由であれ戦争は絶対にいけないことであること、
いつも戦争で犠牲になるのは何の罪もない人であることを強く感じてほしかった。
というものでした。
そのメッセージをしっかり伝えたいと、社会化と総合の計13時間を使ったそうです。
実際の授業では、次のように進められました。
1、身近な人から戦争体験を聞き取り、発表する
2、アニメ「火垂の墓」の視聴
3、上越日豪協会の会長山賀さんから「上越地方に残る戦争の傷跡」のお話を聞く
4、直江津捕虜収容所の現地を訪ねる
5、他国の教科書を比較してみる
6、日本の現在の平和への取り組みを学ぶ
たまたま、クラスにアメリカとフィリピンからの転校生がいたため、それぞれの国の教科書を比べることになったそうです。
フィリピンの教科書は「日本軍が来たことによって独立のきっかけになった」と好意的に書き、
アメリカの教科書は「日本は壊滅的になっても降参しなかったため、原子爆弾を落とし、ようやく戦争が終結した」と書いていたそうです。
国の事情によって書き方が変わること、教科書といっても鵜呑みにするのではなく(スゴイ!)、いろいろな見方をもって、自分で判断することが大事であることを教えています。
さらにすばらしいと感じたのは、「自分たちの国はなんてひどいことをしたのだろう」と落ち込み、愛国心を失いかける子どもたちがよくいるとして、戦争から日本がどのように立ち直ったか、平和を保つためにどのような努力をしているか、現在日本がどのように世界平和に貢献しているか、を丁寧に説明する時間を最後にもったことです。
社会科の時数削減のなかで、このような平和教育を実践された教諭に拍手です。
この教諭だけでなく、努力されている先生方もおられることと思います。
心から応援しています。
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クマンバチ (日曜日, 03 6月 2012 06:14)
サイトのイメージができた感じですね、身近でバライティに富んだ内容になっていて、アクセスしたくなる感じです。 よくぞ調べて載せてくださいました。ご苦労様でした。