森本敏防衛相に民主党沖縄県連が辞任を要求したけど……

沖縄の民主党県連が7日、就任したばかりの森本防衛相に辞任を求める声明を発表しました。これは、米軍の新型輸送機オスプレイの普天間基地配備をめぐって、過去の墜落事故の調査報告を求めていた沖縄県に対し、配備後に出すという米軍の言い分を容認したことに反発したものだそうです(各紙報道)。

 

事故の多さから「未亡人製造機」と呼ばれたこともあるオスプレイの配備に対し、沖縄県では全41市町村議会中、39議会が配備反対の決議をあげ、仲井間県知事も反発の態度を示してきました。ところが、政府は、アメリカに撤回を説得するのではなく、沖縄に受け入れを説得するという姿勢。「沖縄県民蔑視」と同県連が主張するのは当然だと思います。同県連は声明で「沖縄と政府の全面対決」とも言っています。

 

●しかし、この沖縄県連にしろ、消費税をめぐる小沢一郎衆院議員にしろ、党の基本政策に真っ向から反対であるものが、なぜ党にとどまるのか、いつも素朴な(?)疑問を持ちます。政党とは基本政策で一致した集団なのではないのか?と問いたくなるのです。だからこそ、同党県連のこの辞任要求も、「10日の沖縄県議会選挙を控えた民主党県連民の選挙対策との見方もある」(毎日jp)らしいのは、仕方ないのではないでしょうか。選挙民は、目の前の現象や言葉に振り回されず、原因と結果の流れをしっかりと捉える目を忘れてはならないと思います。

 

●それにしても、森本氏は、安倍内閣では「国家安全保障会議」創設を検討するメンバー、麻生内閣では防衛相補佐官を務、著書によると集団的自衛権を容認し、イラクへの自衛隊派遣に賛成、普天間基地の辺野古沖移設も一貫して支持してきた人物です。民主党の軍事外交政策が自民党とまったく変わらないどころか、それ以上に日米軍事同盟を重視する方向をはっきりとアメリカにアピールしたかったのではないでしょうか。九条的見地からすると、もっとも危険な人物が防衛相になってしまいました。