●森本防衛相が19日の参院外交防衛委員会で、きわめて危険な答弁をしました。他国の弾道ミサイルなどの攻撃を防ぐための敵基地攻撃能力の保有について……
従来の専守防衛だけで全ての国家の防衛ができるのか、常に見極めながら防衛政策をすすめるのは国家の責務だ。
と検討が必要との考えを示し、
他の手段がないと認められる限り、敵の基地をたたくことは、国際法上もわが国の憲法解釈上も自衛の範囲に含まれる。
と強弁しました。(時事通信社、しんぶん赤旗)
●「先制攻撃が必要」「それは九条の解釈でも正しい」と大臣格がはっきり言ったのは、自民党政権時代でも無かったはずです。これを許せば大変なことになります。九条は完全にあってなきがごとし。自衛のためならばという言い訳があれば、どんどん予算を軍備に投入しても許されそうです。その打ち出の小槌になるのが北朝鮮や島しょ領有問題か。
●では、日本が実際に独自の判断で先制攻撃をしかけるのかといえば、単独でそんなことはしない。できないはずです。アメリカが許すはずがないからです。解釈改憲あるいは明文改憲をめざすのは、あくまでアメリカとの集団的自衛権(アメリカが攻撃されたとき、日本が攻撃されていなくてもいっしょに戦うこと。あるいはその逆)を行使できるようにしたいからでしょう。 だから、解釈改憲をして喜ぶのはアメリカだけ。それと軍事産業でしょうか。
●日米安保条約がある限り、自衛隊はすべてアメリカの戦略に組み込まれています。ですから、「九条をなくして正規の軍隊を持てば、北朝鮮や韓国や中国に勝手なマネはさせないですむのだ」と思って、森本氏をたのもしいなんて思っている方々には、それは誤解といいたい。日米安保条約がある限り、日本独自の外交、軍事はありえないからでです。
●日本に限らず、アジアで領有権問題はいろいろあります。北朝鮮の軍事冒険的な姿勢も大問題であることは確かです。でも、日本がいまさら先制攻撃できるようになったからって、変わるもんじゃないんです。いままでだって日本にアメリカ軍がいるんですから。むしろそれが脅威を与えている側面が強い。まして、日本が先制攻撃したらそれこそおしまいです。
だからこそ、領有権問題も北朝鮮問題もなんとか平和的に解決しようという取り組みが粘り強く行われています。日本からアメリカの基地がなくなり、日本が九条のもつ力を発揮して平和外交をすすめたら、アジアはどんな変化をみせるか? それには軍事同盟が大きな障害であることは間違いありません。
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戦争を知らないアラ還 (火曜日, 26 6月 2012 20:21)
国民の審判(選挙)を受けていない人です・・・選挙で当選した人ではないから?
文民統制外の人です? 統制が効きません?
こういう人を指名する人も問題です。 困ったもんです。
なし崩し的な、変な世界にならなければの危惧を感じます。