魚沼氏の高校生の投稿に心打たれました

きょう19日付の新潟日報で私が選ぶ一番の記事は、若い人の投稿欄「きらきらキラリ」に掲載されていた魚沼市の高校生浅井さん(15歳)の投稿でした。

 

浅井さんは、いじめや自殺など残酷すぎるニュースが多すぎる、これだけ多くの人が犠牲になっているのに、なぜ同じことが繰り返されるのか、と問い、自分の考えを述べています。

 

…(略)なぜ同じことが繰り返されるのか。

それは、多くの大人が心のどこかで子供が変わるべきだって思っているからなんだと思う。

確かにいじめをしている人の考えは変えなきゃいけない。けど、本当に変わらなきゃいけないのは大人自身だってことに、誰も気がついていない。

この世界は狂っている。

いじめられている人が助けを求めるんじゃなくて、先に周囲の大人たちが気づいて助けてあげるのが本当だ。

だが、今の世界はどうだろうか。助けを求めても助けてくれないじゃないか。もしくは、知らないふりをする。

  (略)

世間を知らない自分にだっていえる。「こんなの間違っている」って。だから、この世界のすべての人へお願いします。子供はこんな世界でも光を求めています。守ってあげてください。

 

「多くの大人が、心のどこかで、子供が変わるべきだって思ってるからなんだと思う」「いじめられている人が助けを求めるんじゃなくて、周りの大人たちが気づいて助けてあげるのが本当だ」。

……本当に鋭い指摘だと思います。

 

大津の事件を受けて、野田首相はメッセージで「いじめを見かけたら見て見ぬふりをしないで」「(いじめられている子は)誰でもよいから相談して」と呼びかけました。首相は、被害者が相談をしていたことを知らないのでしょうか? 相談されたにも関わらず、もみ消しをした大人たちの側が重く問われているのに。

 

しかし、浅井さんはそんな“政治的”な言質に対して発言したのではないでしょう。弱い立場がどういうものかを心底知っている者の叫びだと思います。私だって、どうして子供の世界がこんなに変わってしまったのだろう? どうしてそこまで惨いいじめを? と考えないではない。でも、それは「子供が変わるべき」に通じる。肝心なのはそこじゃないでしょ、と教えられました。

 

子供の世界は大人の世界の鏡であると肝に銘じなければ。そしてまた、そう肝に銘じる政権であれば、メッセージは大人に向かうはずだし、政治は大きく変わるはず……。