●まさか、かの人の名前が再びここで出てくるとは……。ゾンビを見たような気持ちです。自民党総裁選に立候補した安倍元首相のことです。デフレ脱却と憲法改正などを盛り込んだ政策集を手に自民党国会議員を回ったとのこと。
安倍元首相といえば、2007年の総選挙で与党が過半数を割ってもやめず、内閣改造もして挑んだ秋の臨時国会で、開会の2日後に突然首相を辞任しちゃった、という日本中を震撼させた(!)人であることは忘れられません。政策云々という前に、首相になるかもしれない(それは困りますが)党の総裁としてありえないんじゃないでしょうか。どんな顔して立候補できるのか、推薦する人の感覚もまた不思議です。
原発事故にからんでは、安倍氏には大きな責任があります。2006年12月13日、日本共産党の吉井英勝が「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を内閣に提出しました。
これに対して安倍首相(当時)は
「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない」
「原子炉施設の安全を図る上で重要な設備については、法令に基づく審査、検査等を厳正に行っている」
と退けたのです。
このときにきちんと対応していれば、あの原発事故は防げたかもしれないと思うと、なおさらに安倍さんの厚顔無恥ぶりが苦々しい。記者はこういうところも突いてほしいと思います。
改憲派ということでは、同じく総裁選に立候補した石破茂氏ももちろん持論としています。日本維新の会(先日のブログではまだ政党結成前でした)も改憲派。この両者が世論で人気が高いようなので、私たちもボヤボヤしていられません。
●いまやっていたBSテレビで誰かが(名前忘れました)「九条部隊を世界に」ということを言っていました。日本は平和国家であるということをもっと世界に知らしめて世界平和に貢献をという趣旨で、ペシャワルの会の中村哲医師などの活躍を念頭に置いた構想のようです。民間人が専門を生かして世界に貢献しようと言っていました。
武器を持つ自衛隊じゃなくて、九条部隊。絶対に戦争に加担しない国。どちらにも肩入れしない国。そういう確固たる信頼が日本の身を守る……。それにはまず、軍事同盟から脱退して、アジアでその地位を築かなければ。
でも、日本人は一般的に宗教に鷹揚な人が大半ですし(鈍感であってはなりませんが)、なんといっても戦争放棄の憲法を持って戦後復興を遂げたことを立派と思ってくれる世界の人々が多くいます。九条こそ日本の武器であり得るというのは、決して理想主義ではないと思います。
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