日本の政治の右傾化の根はなにか?

ワシントンポストが21日、領有問題をめぐるいまの日本の政治について論評しました。

「徐々に右傾化への重大な変化のまっただなかにあり、第二次世界大戦後のどの時期よりもこの地域内で対決色を強めている」

 として、与那国島への自衛隊配備計画も紹介。これは沖縄から台湾、尖閣諸島を含む「第一列島線」上に初めて配備する地上部隊だとはっきり指摘しています。日本でどれだけのマスコミがこの問題を取り上げているでしょうか。

 

また、野田首相のことは「自衛隊員の息子でタカ派」。自民党総裁選の候補者だった人たちの主張を紹介し、憲法9条の下で集団的自衛権が行使できないことを変えようとする動きが強まっていることを、橋下市長の名前も出して指摘しています。

「第二次世界大戦のどの時期よりも対決色を強めている」アジアのこの地域で右傾化を強める日本の行方のあやうさを、日本のマスコミももっとはっきり指摘してほしいものです。

 

自民党総裁選では、安倍氏、石破氏を筆頭に、改憲当然というような主張ばかりでした。

一方の民主党は、政権をとってから武器禁輸措置を緩和し、原子力基本法を「安全保障に資する」と改変し、集団的自衛権を容認しようと動いています。

「二大政党」が聞いてあきれるほどの一卵性双生党かと思われるほどの大局的一致。もう一緒になっちゃえば、思います。何をもって対決するのかのほうが分かりにくい。

 

ワシントンポストに言われるまでもなく、日本はいまとっても右傾化しているのだということを、国民は冷静に把握しなければならないときだと思うのです。領有問題の以前から、です。

自民党元総裁だった河野洋平氏も「平和国家としての日本の存立を危うくしかねない」と雑誌『世界』で憂えています。

 

この右傾化は何か。領有問題をめぐる中国人の騒動を「国政に対する不満のはけ口」と他人事のように見ているけど、日本の右傾化の根はどこにあるのか。いままで自民党歴代内閣が口にできなかった「集団的自衛権行使」が堂々と総裁選で主張され、驚きをもって受け止められるべきがそうでなくなっている。そして生活や原発の問題が領有紛争の陰で薄まってしまっているように思えてなりません。

 

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コメント: 1
  • #1

    山人にも臍のくくり (水曜日, 03 10月 2012 18:31)

    ワシントンポストの見方=正解です。日本のマスコミは大本営?になりかかっています。
    マスコミを超える世論の力・・・原子力規制委員会の赤旗排除を撤回させる。・・・大いに発信しましょう。